塾はセクハラがあったら意外ときっちり対処しがち
突然だが本日、こんなニュースを見た。
概要は
県立高校2年の女子生徒に対し「女性の下着の色はどんな色がセクシーか知っているか」などと尋ねた60代男性教諭を戒告の懲戒処分にした
ということだ。
このジジイと女子生徒とのやり取りを聞いた男子生徒が
セクハラではないかと訴え出たとのこと。
男子生徒よくやった。
塾なら即刻クビパターンだよ
それにしても
ありえない。
塾で働いていた人間からすれば
まあ ありえない。
学校ではこのくらいのセクハラ発言は
普通のことなのだろうか?
このジジイ氏の発言内容、かなりの攻め具合だ。
この記事では
「(ジジイが)『俺と結婚するかと言われたらどうする?』とも尋ねた」
とも書いてあり
もはや香ばしいを通り越して炭化している勢いだ。
もしも
私が教室長時代にスタッフが同じようなことをやらかしたら
即刻クビである。
実は
クビにしたことが二度ある。
非常にお恥ずかしい話だが
一度ではなく二度なのだ…。
まあ、
セクハラ関連以外も含めれば
「即日クビ宣告」はもっとあるのだが
セクハラ事案は二度だけ。
これを少ないとみるか、多いとみるかは
あなた自身にゆだねられる(逃げ)。
さて
今回は
私自身が下した
セクハラ関連クビ宣告事例
をご紹介したいと思う。
思いのほかマイルドではあるが
対応の素早さを褒めてほしいと密かに夢想していることは内緒だ。
【事例1】女子高生にコーフンした大学生
大学1年の男性が我が個別指導教室の講師として採用された。
彼には早速、女子高生に対する英語の指導を行ってもらった。
何ら問題なく授業は終了した。
が、
後日
彼の大学同級生からのタレコミがあった。
「あいつ、この前『女子高生の隣、至近距離だとコーフンする。めちゃクチャやべー。
女子高生の授業しかやりたくねー』って言ってましたよ。」
……え
激ヤバ案件じゃん!!!!!
いやね。
気持ちはわかる。
男性とはそういうものだ。
特に10代、20代のうちはその傾向に拍車がかかる。
でもね。
(女子高生にコーフンするとかって)わざわざ口に出していうことかね???
どちらかというと、彼の変態性よりも
「自分の変態性を大っぴらに友人に公開する鈍感さ」
の方が気になった。大いに気になった。
というわけで
即刻彼を呼び出し
「採用試験時に受けてもらった適性検査の結果が遅れてやってきて、
アウトだったことが判明した。申し訳ないがうちで雇うことはできない。」
と非常に苦しい言い訳をしながらもなんとか言いくるめて辞めてもらった。
【事例2】女子高生に「今日の髪型かわいいね」と毎回言うハゲ
人を外見で、しかも先天的な身体的特徴でもって呼称するのは
いかがなものかと反論あろうが
私ももちろん人をハゲと呼称するのはいけないことであると
分かっているつもりだ。
自分が「おい、ブサイク」
などと自分ではいかんともしがたい身体的特徴をなじられるようなことがあれば
当然、イヤな気持ちになるであろう(もう中年なんで今はダメージほぼゼロだが…)。
しかし。
だがしかし。
このハゲはやはりハゲなのだ。
ハゲと呼ばざるを得ないのだ。
私に大義がないのは重々承知。
非国民のレッテルを貼られても仕方のないことだ。
しかし
奴はハゲなのである。
ハゲは置いときまして。
このハゲ(置いておかないんかい)は30歳男性。
教員志望の教員採用試験浪人。
その身体的特徴のとおりに
年齢より10年早く生まれたように人は皆、錯覚を覚える。
彼より10年の年長者である私と並んでも
私=係長
ハゲ(いい加減置いておいたら?)=本部長
くらいの差があるし初来訪のお客さんは全員ハゲ(じきにツルッパゲになる感じのやつ)の方が上司と勘違いする。
そんなハゲがなんと
担当する女子高生に毎週(授業が週一)のように
「今日のその髪型かわいいね」
だの
「カバンについてるマスコットよりお前の方がカワイイ」
などのギャラクティカマグナムを炸裂させていたのである。
個別指導というのは密室になりやすく
このハゲ(中身もすげーオッサンだったなぁ)の蛮行も
すぐには発覚せず。
だが時は訪れる。
ある日
塾に一人の保護者(お母さん)がやってきて
開口一番
「お宅の講師は女の子に『かわいいね』っていう決まりなんですか??」
とお尋ねになられた。
正直、私は瞬間的に(具体的には0.0014秒ほど)
この生徒=担当はハゲ(いまごろはスキンヘッドかな)=セクハラやりやがったな!
と察知したのだが
現実逃避の一環としてお母さんに
「え? あの どういう…」
とわざと濁しながらジャブをついて回っていた。
のだがすぐさまお母さんが
「うちの娘が頭髪の少なめの先生に『かわいいね』って言われるようなんですよ」
と、こう来た。
ストレートにハゲと言わないところはさすが(何を基準に?)。
私は他の生徒がガンガンに見つめ、聞いているのも構わずに
お辞儀というよりも頭が足の間から突き抜けるような角度で
「まことに申し訳ございませんでした」
と最大の最深の謝罪をさせていただいた。
もちろんその女子高生はすぐさま退塾。
そして
その日のうちにハゲを呼び出し
「こういうことがあったからあなたの勤務は今日でおしまいね」
と通告。
ハゲはそれに対し何も言わず去っていったことが少し拍子抜けだった
といえば不謹慎か。
やっぱり学校は処分甘いよね
以上の二例から
私の対応は迅速で
被害を未然に防ぐ視点を最も重要視していたことを
お分かりいただけたかと思う。
講師が急に一人抜けると
やりくりがかなり大変になるため
本当は「ちょっとくらいのセクハラには目をつぶりたいな」
という悪魔のささやきが聞こえたりもする。
でもセクハラ案件は絶対に起こしたくない。
未来永劫面白おかしく語り継がれるのがセクハラ案件だ。
そしてそれは特に女性にとっては嫌悪感しか抱かせない。
塾は女性に嫌われたら存続がほぼ不可能になる。
だから迅速に対応するのだ。
だから学校の対応(今回であれば子供にセクハラしたのにクビではない)
を異次元殺法のように理解不能だ。
ぜひ
学校も民間の感覚を取り入れてほしい。無理だろうけど。
皆さんも
セクハラ被害にあったら
泣き寝入りせずに堂々としかるべき場所に相談しよう。
セクハラのない世の中を望みながら
今日は以上とする。
また次回!!
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