私もそうだったから、分かるー ←は？
十年ほど前
私はある日、食事中に盛大に自分の舌を噛んでしまい
その翌々日からその噛んだ箇所に口内炎が発生し
そこから数日の間
激しい痛みに継続して見舞われた。
大変だったのは
食事（ほぼ無理。ゼリーだけ摂取。ただ夜にビールは飲む。）
と
言葉を発することが困難になったことだ。
特に
言葉を発するたびに激痛が走るのにはまいった。
文字通り
ろれつが回らないことへの苦痛は計り知れない。
正直、仕事中の電話を取ることすらできないほど
「あうあう」くらいしか声を発することができなかったため
後輩女性に「今日は電話、全部出てください」
とお願いした。
後輩女性にその理由を説明すると
「口内炎て痛いですよねー。
私もそうだから分かります。」
え？
は？
この「もはや死んだ方がマシくらいの痛み」
を体験したことがあるだと？？
そんなはずはない！
こんな痛みを経験しているのであれば
「今日はもう帰った方がいいんじゃないですか」
くらい言うだろ普通！
それが
「私もそうだから分かります」
だと？？？！！！！！
それは言い換えれば
「以前、その痛みは体験済みなので辛さは分かります。
まあ帰る程ではないですけどね」
っていうのと同じ意味だろう！！？？
違う！
断じて違う！！
この痛みは私にしか味わえないほどの
重傷者限定のサプライズだ！！
軽々しく「ああ、あの痛みね」
などといえるものではないのだー！！！！
などと一人、心の中で憤慨した記憶がある。
なんのことやらだが
今日の結論を先に書くと
相手が話してきた話題については
「私も同じだから分かるー」
と言わない方がいい
ということだ。
・
・
・
・
一見すると
「私も同じだから分かるー」
は相手に寄り添った発言のように思える。
しかし
話したほうからすれば実は
「全く同じなわけないやん」
と反感を覚えるのである。
例えばこうだ。
A「上司のパワハラが辛すぎて死にたい」
B「俺も同じだから分かるぜ」
という会話があったとき。
あなたがAならどう思うだろうか？
「この死にたいくらいの辛さがお前に分かってたまるか！
確実にお前の辛さの方が軽いに決まってるやんけ！ボケ！」
となるであろう。
次。
違うパターンでいこう。
甲「彼氏が優しすぎて幸せすぎる」
乙「私も同じだから分かるー」
あなたが甲だったら
「絶っっっっ対にこっちの彼氏の方が優しいに決まってるだろがこの痴れ者めが！！」
となるであろう。
あなたも無意識のうちに使っていないのではないだろうか？
私も同じだから分かる―
を。
相手に好かれる人間になりたければ
今後
私も同じだから分かる―は封印
すべきだ。
では
今後、相手が話してきたときには
どう反応すればいいのか？
それは
そうなんだー。分かる気がする。
これである。
これで
・相手の話を軽々しく捉えない
・でも寄り添う
の二つの難題をクリアできる。
そうと決まれば明日から実践だ。
あなたは明日から好かれる人間に変身していることだろう。
そう。
私も同じだから分かるのである。
というわけでまた次回。
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