できる教室長は入塾を断ることもある
こんにちは。
晩酌相撲です。
今回は、
「できる教室長は入塾を断ることもある」
ということについて書いていきます。
目次
できる教室長は塾は入ってからが勝負と分かっている
塾は
家電量販店などと違い、商品を売ることはそれほど難しくはありません。
理由は、塾の面談に来る人はもう入ると半ば決めてきているからです。
言い換えれば、塾に面談に来た人をことごとく逃すような教室長は
商売にはとことん向いていない
ということになります。
それほど、塾の商品というのは売りやすいものです。
ただ、
売りやすい商品ではあるものの、塾は生徒が入ってからが勝負となります。
仮に入塾面談で保護者の方が教室長の言うことに納得され、時には感動されることもありますが、
もしもお子さんが入塾後にいつまでも成績が上がらなかったら、簡単に信頼を失ってしまう。
生徒が入塾したあとで、いかにその成績を上げる指導ができるか、ここが塾の勝負所となります。
入塾した生徒の生成が上がらないと、塾は以下の状態となってしまいます。
・顧客からのクレームが多発
・夏季、冬季などの季節講習を購入してくれなくなる
・塾の命である口コミの悪化
・塾への問合せがなくなる
・意欲ゼロの生徒も受け入れるはめになる
こうなってしまうと塾の経営はジリ貧です。衰退の一途をたどるしかなくなります。
できる教室長は入塾を断るのって難しいと分かっている
商品を買いたい
と言ってもらっているのにそれを断る機会はあまりないですよね。
特に世の営業マンの方は商品が売れる売れないは死活問題ですから、
いかに顧客に商品を買ってもらうかに腐心します。
それを「あなたには商品を売りません」などともったいないことを言う人はあまりいないでしょう。
(例外として、明らかに危なそうな人や過去にめんどくさかった人、確実にクレーマーになりそうな人など、営業マン自身の経験則から危険人物には売らない、と判断することはあると思いますが…。)
前述のとおり
塾は基本的に「よし、塾に入ろう」と思う人が面談に来ますので、
これをお断りするのは結構難しいというか、気が引けます。
でもできる教室長は、そういったことも乗り越え、塾の未来を見てしっかりと判断し、
入塾を断るときは断ります。
できる教室長は売上などの数値ノルマとの葛藤に打ち勝つ
個人塾でない限り、本社からの売上などの数値ノルマは必ずついて回ります。
私が所属していた塾は、売上もそうですが「生徒数」が評価の大きな指標となっていました。
特に4月末時点と、9月末時点で何人の生徒が通っているか。
規定の人数を何としても確保せよ!と指令がバンバン飛んできて私たち末端の教室長にプレッシャーをかけてきます。
ただ、塾は受け身の営業形態ですので、教室長が外回りに行って生徒の入塾を獲得してくる
なんてことはできません。
新聞広告を載せたり、チラシを学校前で配ったり、塾生の友人紹介キャンペーンをしたりなどで
来塾する人待ちのところがあります。
つまり自分ではコントロールできない、入塾者数を増やす難しさです。
自分の教室が人数等の数値ノルマを達成していない。
こうなったとき、正直言えば「意欲ゼロの生徒も入れちゃおうかな…」なんて思うことも多々あります。
しかし、
できる教室長は「目の前の数値を達成できず、たとえ社内で非国民扱いされたとしても、その後に自分の教室がなくなってしまったら元も子もない」ということを知っています。
だから
自信を持って(?)意欲のない生徒の入塾をお断りします。
できる教室長は断ることで塾が伝説化することを知っている
そんなことをしていると、地域内で噂が立ってきます。
「あそこの塾って、やる気ない奴は入れないらしいよ?」
と。
例えば、クラス内で不真面目で有名な生徒が私の塾に通っていたとします。
やる気のある生徒からすれば、
「うわ、あの塾って、不真面目で有名なアイツが通ってんのかよ…。ここはやめとこ。」
と判断することになります。
その不真面目君が頑張って成績をグーンと伸ばしたらよい口コミとなりますが、
残念ながらそうはうまくいきません。
なんせ塾は
意欲ゼロの人に意欲をもってもらう指導はできないから
です。
塾は意欲のある生徒を伸ばすことが得意です。
いや、それしかできません。
ですので、最初から意欲ある生徒にそっぽを向かれた瞬間、
塾の衰退は始まっていきます。
でも
意欲のない生徒を断り続けると、
それ自体がよい口コミになり、徐々に広まっていきます。
この少子化のご時世、生徒数の確保に苦しんでいない塾は非常に少ないです。
どんな生徒でも入れたい、というのが塾経営者の本音かと思います。
だからこそレアな存在になれるのです。
意欲ある生徒からすれば、安心できる塾となります。
意欲ある生徒が多く集まるとみんなの成績が上がり、
合格実績が出ます。
余談ですが、
ごく稀に、一度断った生徒が翌あとあと、自ら入塾を志願してくる場合もあります。
私は入塾をただ断るだけではなく、あなたがやる気になったらいつでも歓迎する
ということを必ず伝えています。
長い時を経て思いが伝わった瞬間はやはりうれしいものですね。
ちょっと先の未来に目を向けて判断をする。
これができる教室長の大きな特徴と言えるでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
意欲ゼロの生徒は入塾を断る。
これを徹底できている塾は、たとえ大手であっても失敗する可能性は低くなってきます。
塾はあくまでその教室長の力量によってのみ左右されます。
大手であれ、個人であれ、その原則は変わりません。
できる教室長がいる塾を見分ける方法として、
この法則が参考になれば幸いです。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。